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温泉は日本人の歴史と生活に深く根ざしてきました。
温泉で身体を癒す“湯治”という言葉は室町時代には既に使われています。
江戸時代には「一巡り
温泉の治療効果が説かれるようになると湯治は大きく広まりました。
しかし近年、西洋医学の流入や生活スタイルの変化により、湯治文化は影を潜め、温泉利用の目的は変わってきました。
一方、温泉は「温泉法」によって定義され、保護や適正な利用が推進されてきました。
その中で10種の泉質名を持つ「療養泉」は、とりわけ治療の目的に供しうる温泉として、適応症という効能が認められています。
湯治の在り方は時代によって変化し続けますが、温泉の効能には現代社会においても大きな役割があると考えます。
湯躍は温泉の持つ力を研究し続け、生活に根を下ろす 新しい湯治習慣をご提案できるよう取り組んでおります。
※1回の湯治を一巡り7日間とし、三巡りして21日間を基本とすること。
資料名:明治前日本医学史第3巻 国立国会図書館所蔵
普段の生活で実践できる湯躍の湯治習慣が健康維持の一助となれることを願います。
・推奨入浴日数:7日×3巡り=21浴(21日)
・推奨入浴時間:10分間
・推奨入浴温度:冬場41度、夏場38度
・推奨入浴水位:腋下
別府温泉に350年ほど前から伝わる湯の花づくりがあります。
ミネラルを豊富に含むこの地特有の土壌に、温泉の噴気を作用させて、 温泉成分を結晶化させたものを採取します。
その技法はまるで湯の“花”を栽培しているかのような特殊なもの。
湯の花小屋による湯の花づくりの技術は、 国の重要無形民俗文化財として保護されています。
こうして作られる唯一無二の“別府湯の花”は、 他の温泉地に見られる温泉に溶けきらず固まってできる、 カルシウムや硫黄の沈殿物とは異なり、温泉由来の微量成分を含み、 お湯に戻りやすい特長を備えています。
この特別な別府湯の花から、浸漬精製法によって湯の花エキスを抽出・精製し、 混和熟成仕上げによって、強酸性を示す湯の花エキスを、肌にやさしくなめらかな湯質が特長の アルカリ性温泉の成分と掛け合わせ、風呂釜や浴槽を傷めることのない、ご自宅湯治習慣に適した 薬用入浴剤へと仕上げていきます。
別府の豊かな温泉から生まれた湯の花を、高純度品位に整えるため、湯の花の結晶成分と理想的に適合する天然温泉に融合させます。
約ひと月間、ろ過を繰り返し、別府湯の花の成分を余すところなく、自然にゆっくりと抽出し精製していきます。
この技法を浸漬精製法と呼び、こうして作られた琥珀色に輝く液体が、湯躍の精髄、別府温泉精製湯の花エキスです。
比重は水の約1.3倍。療養泉の定義における特殊成分の約1,000倍濃度の温泉成分を含みます。
但し、ご家庭で毎日ご利用いただくために、風呂釜を傷め、独特な臭いを放つイオウは取り除いています。
湯の花エキスを湯に溶かすと強い酸性のお湯になります。
一般的に、酸性の温泉は殺菌作用が期待されますが、刺激が強いため湯あたりに注意が必要です。
そのため特性を活かしつつも、ご家庭で毎日お使いいただける理想的なお湯を求めて、湯の花エキスを肌にやさしくなめらかな湯質が特長のアルカリ性温泉の成分と掛け合わせます。
酸性の湯の花エキスと正反対のアルカリ性成分とを混ぜ合わせると激しく反応するため、温熱と冷却を加えることにより反応を制御しながら両者を一体化させます。
さらに、製品がお客様の手元に届いた後も、長く安定した品質を保てるよう、20時間以上かけて熟成させます。
仕上げは、手作りしていた創業当時のままに、現在も熟練の社員が反応を直に確かめながら行っています。
創始者
ところが昭和25年、その一つ九州の鉱山で落盤事故が発生。
人命が失われます。
「いのち」の重みは大変な衝撃でした。
事故をきっかけに、深く人生を顧みるに至ったのです。
彼が47歳の時でした。
終戦間もない別府の地は、戦いに傷つき、疲れきった人々の大きな慰安の場所でした。
その光景を目の当たりにした彼は強い感銘を受けます。
『この豊かなめぐみの温泉を、誰もが使えるようにしよう。それがひいては「いのち」を大切にすることになるのならば。』
と意を決します。
自然科学、植物学、鉱物学を再び学び、試行錯誤、悪戦苦闘の末に、失敗と挫折を乗り越えて湯の花入浴剤の完成を見たのは昭和36年。
人生の岐路に立ち、天然湯の花の研究に着手してから 11年の歳月が流れていました。
齢60間近にして、彼は自らの手で製品を作り、自転車の荷台に積み込み、一軒一軒の扉をたたき、温泉を語り、製品の効能を説きはじめました。
その想いは3代にわたり受け継がれ半世紀。湯躍を支える礎となっています。